ECサイトにおけるレコメンドエンジン導入6つのメリット


ECサイトにおけるレコメンドエンジン導入6つのメリット

インターネットの発達は、人々の情報への接し方を変えました。「どの製品の性能が良いのか」「何が世間で流行っているのか」といった情報は、WEBにアクセスすすれば誰でも手に入れられます。検索を通じて「自分が欲しいもの、必要なもの」を見定め、ECサイトで「欲しいもの、必要なもの」の多くを購入できるようにもなりました。

 

しかし、接する情報量は膨大になりながらも、人の情報処理能力は昔から変わっていません。WEBで得られる全ての情報から判断するということは不可能と言えます。

 

たとえば、リアルの世界でお店に行けば、店員に相談することができます。店員は顧客にヒアリングをしながら、店頭に並ぶ商品の中から、顧客にとってもお店にとってもメリットのある提案ができました。しかし、オンラインショッピングではどうでしょうか?

 

ECサイトには店頭よりも多くの商品を取り揃えているところは多いですが、ユーザーは、全ての商品から「自分が欲しいと思うもの」「自分の好みに合ったもの」を自分で探さなければなりません。もちろん、メールやチャットでECスタッフと会話することもできますが、用途は限定的で、タイムラグもあります。

 

24時間365日、いつ発生するかわからない顧客の「いま欲しい」という熱気を逃すことなく、適切な商品提案をするためには、AIの力を使う必要があります。今回は、AIが搭載されたレコメンドエンジンを導入することで、ECサイトがどのようなメリットが得られるのか、具体的に6つの視点からみてみましょう。

 

1. 顧客体験の向上:広告ではなく「欲しい」情報が届く

AIを利用して顧客の嗜好を分析し、一人ひとりにレコメンドを行う(つまり、パーソナライズした提案を行う)ことで、顧客はサイトに訪れた時に「欲しいもの」をすぐに見つけることができます。また、AIが選んだレコメンド商品をメールやアプリのPush通知から送ることで、顧客はサイトに来ていない時にも、興味のある商品情報を知ることができます。

 

たとえば、洋服を探している顧客がいるとします。膨大な商品情報の中から、「自分の好みのもの」や「自分に似合うもの」を探すのはとても大変です。「似合うものを教えてくれる」「好みの商品を発見できる」ことの方が、顧客にとってはありがたく、そういった体験ができるECサイトの方が、顧客の信頼を得ることができるでしょう。

 

2. 回遊を促進:閲覧数を増やして離脱を防ぐ

顧客がECサイトに訪れた際、興味のある関連商品が画面に並んでいれば、顧客はさまざまな商品情報ページを見るでしょう。たとえば、洋服のトップスを見ていた顧客に対して、ボトムスを関連商品としてレコメンドすれば、顧客は自然とクリックしたくなります。

 

また、同じトップスを見に来た他の多くのユーザーの行動パターンから、興味を惹きそうなトップスや組み合わせ情報などをレコメンドすることもできます。そして、関連商品が自分の好みに合っていればいるほど、顧客はそのサイトを信頼し、「また見にきたい」と思い、再来訪をうながすことができます。

 

3. セレンディピティ:顧客に気付きを与えることができる

適切にチューニングされ、顧客の傾向を学習したAIがあれば、さまざまな顧客の行動パターンと照らし合わせることによって、顧客の知らない商品も提案することができます。

 

これにより顧客は「思いがけない発見」をすることができます。これは、偶発的消費とか、セレンディピティとも呼ばれており、顧客は「良いサービスを受けられた」と感じるはずです。EC事業者は受注量を拡大できるとともに、ロングテール商品の販売を伸ばすことが可能になります。

 

4. 顧客をファン化:顧客の嗜好を予測して好循環を作る

一度購入してもらった顧客には、リピートしてもらうことが肝心です。リピートしてもらうには、顧客の好みにあった商品が存在することを提示する必要があるでしょう。

 

これはリアル店舗でも同じですが、初めての顧客の好みは容易にはわかりません。ちょっとした会話の中や、過去の購入履歴からどういうものを好まれるのか少しずつ提案し、付き合う時間が経つほどより良い提案ができるようになるというものです。

 

レコメンドエンジンも同じように、最初は他の顧客の行動パターンから商品を提案し、その顧客のリピート回数が多くなるほど、顧客の嗜好を分析して最良の提案が可能になります。また、顧客がサイトを離れたあとも、適切なタイミングでメールを介して好みの商品をレコメンドすることで、再訪率は高まります。顧客にとってしてみれば、良い提案をしてくれるサイトであれば、親近感がもて、そのお店のファンになることは間違いないでしょう。

 

5. クロスセル / アップセル:顧客あたりの単価を向上できる

企業にとって一人の顧客の単価をあげることは、売上をあげる方法としては最もオーソドックスですが、難しい戦略でもあります。いつもより少し上級のものを買ってもらうのか(アップセル)、関連商品もいっしょに買ってもらうのか(クロスセル)、それぞれのECサイトの商品で戦略は異なるでしょうが、これにもレコメンド機能をうまく使うことで、実現が可能です。

 

顧客の気づかない潜在ニーズを呼び起こすことで、ついで買いを促進し、購買額の向上を図ることができます。実際に、複数のメーカーで、一人あたりの売上単価が10~30%UPするといった効果がみられています。

 

6. サービスの自動化:AIによる品質レベルの統一

もうひとつのレコメンドエンジンを使用するメリットは、サービスを自動化できるということです。同様のサービスの質を人間に求めた場合はどうでしょうか。

 

ECサイト上では、非常に多くの商品があり、様々な顧客の購買パターンが存在します。顧客がサイトに訪問したときに、その顧客にリアルタイムで人間が応対することは難しく、また、顧客の過去の履歴の蓄積を瞬時に思い起こして接客に活用することはほぼ不可能です。他の顧客の行動パターンも参考にしながら、となればさらに難易度は高くなります。

 

ビッグデータを活用したレコメンドエンジンであれば、それが可能になります。顧客の過去の履歴データをもとに、他の顧客の行動パターンも参考にしながら、個別客にあった提案が自動的にできるようになります。これにより、品質の高いサービスをサイト上で安定的に提供することができるようになるのです。

 

 

その後必要になるのは、レコメンドエンジンの使い方を自社のニーズに沿った有効な形にチューニングしていくことです。これはまた別の機会でお話します。

 

 



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