B2Bでありながら、ターゲットは“高齢者?!” 地域の自動車産業を支える法人向け仕入れサービス – 株式会社カーフロンティア「AnotherRoot」


レコメンドエンジンは、B2Cのいわゆる「ネットショップ」で多く利用されてきましたが、B2Bでの活用事例も増えてきています。今回紹介する株式会社カーフロンティアは、日本全国のガソリンスタンドや自動車整備業者とドライバーをつなぐさまざまなサービスを展開する企業。なかでもAnotherRootは、業務用カーケア用品の仕入れサイトというユニークな業態で、業界では高い知名度を誇っています。

 

B2Bのサイトならではの課題は何なのか? レコメンドエンジンによるパーソナライゼーションはどのような効果を生み出しているのか? 株式会社カーフロンティア AnotherRootユニットのWebディレクター、紀伊氏と、マーケティングユニットの竹島氏にお話を伺いました。

 


 

▼ 自動車用品専門の法人向け販売サイトというのは、EC業界の中でも非常にユニークなものに思えます。なぜこのようなビジネスを立ち上げたのでしょう?

AnotherRootユニット Webディレクター
紀伊 友加里 氏

竹島:そもそものお話をしますと、当社は各種石油製品の国内販売、及び輸出入取引を行う石油系商社の社内ベンチャーとして、より豊かな自動車関連サービスを生み出すためにスタートいたしました。(※現在は分社化しています)

自動車は地域社会の移動・物流を支える重要な社会インフラですが、その維持に欠かせないガソリンスタンドは、少子高齢化やハイブリッドカーの普及などさまざまな要因でその数を減らしつつあります。

この傾向は地方に行けば行くほど顕著で、たとえば山間地の個人商店が、実は地域の移動・物流を支えていたりするケースもあります。そんな事業者の方、そしてドライバーの皆さまを支えなければならないという使命感が、事業の中核にあります。

 

紀伊:私たちは、これら地域のガソリンスタンドや自動車整備業者にITを用いたサービスを提供し、経営の効率化や再活性化を支援しています。AnotherRootはその柱となる事業で、タイヤやワイパー、エンジンオイルなどのカーケア用品を、地域の小規模事業者にも納得のいく価格、充実のアフターケアでお届けするための、電子購買サイトです。

 

▼ 一般の消費者向けECサイトとは、お客様のふるまいも、サイトの運営方針もかなり異なるのかと思います。どんな特徴があるのでしょう?

竹島:主なユーザーは各地のガソリンスタンドなどのオーナーさんや仕入れ担当者さんです。仕入れのためのサイトですから、一般的なB2Cのネットショップと違い、目的買いの傾向がとても強くなります。店頭在庫が減っているものを、すぐに仕入れたいという購買動機です。

 

紀伊:サイトの付加価値としては、ブランドサイトのようにサイト滞在時間を楽しんでもらうというより、ビジネスの役に立ててもらうという観点で企画しています。ビジネスセミナーの情報を配信したり、売上に関係する地域の気象情報を流したり、などですね。

もうひとつ、サイトのUI・UXの面で、大きな特徴があります。それは、ユーザーのことを考え、あまりサイトのデザインをリッチにしすぎない、という点です。

 

▼ B2Bといっても、デザインに関しては、B2Cと同じようにリッチにしたほうが、ユーザーの満足度は上がると思ったのですが……?

マーケティングユニット
竹島 康弘 氏

竹島:ユーザーである地方のクルマ関連事業者さんは、皆さんが思っている以上に高齢化が進んでいます。ですからネットサービスも、PCやスマホの操作にまだ慣れていらっしゃらない方々のことを考えることが、クリティカルなポイントになっています。

 

紀伊:たとえば、よくネットショップの上部には、マウスオーバーするだけで細かなメニューが表示されるナビがついていますよね? あれは、慣れていない人にとっては「なにもしていないのに画面が突然変わった!」と受け取られ、混乱させてしまうようです。

ほかにも、スマホで一般化している三本線のハンバーガーメニューが気づかれもしなかったり、iPhoneよりもラクラクホン対応を求められたり……すべてが当社の課題ではありませんが、気づかされることも多いです。
 
 
 

▼ 通常のネットショップからは、ちょっと想像もつかない世界ですね。単にB2Bというだけでなく、ユーザー年齢層も踏まえた最適化がされているとは驚きです。

紀伊:B2Cのビジネスでは、ブランドのオリジナリティを出すためにユニークな機能やUIを持つサービスが多いですが、古くからある世界規模のECサイトに目を向けると、派手な演出を避け、高齢者の方でも利用できるような堅実なUI・UXを提供しているものがあります。そういった先駆者の事例を参考にしつつ、高齢者の方も含め、すべてのユーザーのかたが、いかにストレスなく目的の商品にたどり着けるかという点を、常に意識しています。

ただ、それは「目的以外の商品は、目に留まりにくい」という問題の裏返しでもあります。サイトへのレコメンドエンジン導入は、この問題の解消が目的でした。

 

▼ クロスセル(あわせ買い)が起こりにくい、という問題ですね?

紀伊:そうです。商品を訴求するためにメルマガやFAXを使ったプロモーションも行っていますが、シルバーエッグのレコメンドエンジンはサイト内で工数をかけずに、あわせ買いの起きやすい商品をパーソナライズしてプッシュすることができるため導入を決めました。

 

竹島:レコメンドエンジンの自社開発も考えましたが、開発期間とコストを考えた結果、既に定評のあるAIエンジンを選定することにしました。もちろん、いくつかの業者と比較もしましたが、シルバーエッグの場合は単に機能だけでなく、クロスセルの実現という目的に向かってコンサルタントが伴走してくれることが、導入の決め手になりました。

 

▼ 導入後の効果は、どうだったでしょう?

竹島:まだ導入から間もない段階ですが、速報値では、通常のユーザーさんが1セッション当たり1.5件の購入をするのに対して、レコメンドをクリックするユーザーさんは2.5~3.15件の購入をするという結果が見えています。きちんとテストをして、あわせ買いの効果が出るようにチューニングしていきたいです。

 

紀伊:たとえばタイヤは高単価な商材ですが、物理的な大きさもあってか、あまり「何かの仕入れのついでに入れておこう」という風にはなりません。また、「梅雨の時期のワイパー」というように、季節性の高い商品もあります。クロスセルを促進するために、どんなジャンルの商材を、どんなタイミングでAIにレコメンドさせるか、ABテストを通じて最適解を見つけていきたいです。

 

竹島:表示位置についても、工夫の余地はあると思いますね。いまは商品一覧のページにレコメンドが出るようにしています。このページにいるユーザーは、純粋な目的買いでなく仕入れ商材を選んでいる状態にある可能性が高いので、レコメンデーションで気づきを促すと、受け入れられやすいのではないかと考えています。

 

▼ 常に仮説と検証ですね。今後、どのようにレコメンドエンジンを活用していこうとお考えですか?

竹島:率直に言って、AI搭載といってもそれがすべての解決策になるとは期待はしていません。あくまでプログラムで、すべてを的確に予言できるものではないと理解しています。これまで通り、クロスセルを中心にABテストを続け、シルバーエッグのコンサルタントとともにAIの最適な使いかたを見極めていきたいですね。

 

紀伊:いまはロジックの部分でABテストを行っていますが、レコメンドウィジェットのデザインや配置を変えるような取り組みもやっていきたいです。もちろん、クロスセル以外、あるいはEC以外でのレコメンドエンジンの使い道があれば、それも探っていきたいです。
 

 



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