世界的なECプラットフォームと信頼できるレコメンドエンジンを組み合わせ、日本市場を拓いてゆく – ARC’TERYX(アークテリクス)


フィンランドに本社を置くアメアスポーツコーポレーションは、「ウイルソン」、「サロモン」などの有名ブランドを世界的に展開するスポーツ・アウトドア用品の総合企業です。なかでもカナダ発祥のアウトドア用品ブランド「ARC’TRYX(アークテリクス)」は、北極圏のハードなアウトドア環境にも対応した性能と、カジュアルな着こなしもできるデザイン性で、広くファンを増やしています。

 

2021年、これまでアメアスポーツ本社のECサイト内で運用されていた日本向け「アークテリクス公式オンラインストア」が、Shopifyプラットフォームへと移行しました。全世界で170万のECサイト(2021年9月現在)が利用する Shopifyは、大量販売にも対応するインフラと、高いカスタマイズ性を備えています。アメアスポーツはこの移行に際し、サイト内に配置するコメンドエンジンに国産ツール「アイジェント・レコメンダー」を採用し、日本独自のEC戦略を打ち出しました。

 

国際企業のアメアスポーツで、日本独自の路線をとる意味は何か? また、Shopifyという新しいプラットフォームのメリットはどこにあるのか? アメアスポーツジャパン株式会社 デジタルコマースダイレクター 岡本真悟氏にお話を伺いました。

 

【INDEX】

・グローバルで伸びているからこそ、ローカル市場にコミット
・Shopify移行の理由、そして変化
・レコメンドエンジンは、日本製を採用
・プラットフォームでも、質の高い顧客体験を作る

 


グローバルで伸びているからこそ、ローカル市場にコミット

▼アメアスポーツは複数のユニークなブランドをお持ちです。それぞれデジタル戦略に違いはあるのでしょうか?

基本的に、どのブランドにとってもオンライン施策は優先事項です。デジタル戦略に関してはブランド横断的に検討し、施策を実行する体制をとっています。現在運営している6つのブランドのうち、ARC’TERYX(アークテリクス)、サロモン、スントでは、AmazonなどECモールへのホールセールだけでなく、ブランドの直販ECサイトを設けてビジネスを展開しています。

 

各ブランドはオフラインでも直販ストアを設けていますが、そのミッションは各地のお客様とのコネクションを作り、トレンドを踏まえたビジネスを作ってゆくところにあります。直販ECサイトも同様に、リアルの店舗以上の頻度でお客様に訪問いただき、コミュニケーションを取ることで、日本市場でのビジネスを盛り上げることができると考えています。

 

そこで、これまでグローバルサイトの管轄であったアークテリクス公式オンラインストアを、日本独自で構築・運用できるように変更したのです。

 

アメアスポーツジャパン株式会社 デジタルコマースダイレクター 岡本真悟氏

世界的なプラットフォームだからこそ、日本独自の施策ができたと語る岡本氏

 

Shopify移行の理由、そして変化

▼運用の主体をグローバルから日本に移すために、プラットフォームをリニューアルしたわけですね。しかしなぜShopifyだったのでしょうか?

コスト、スピード、クオリティのバランスです。まずコスト面で言うと、Shopifyの初期費用の低さが魅力でした。ブランドイメージを棄損しない、きちんとしたECサイトを立ち上げようとすれば、相応の初期投資が必要です。失敗のリスクを考えると、グローバルの本社も簡単には首を縦に振れません。しかしShopify の場合、本社側もサービス内容をよく理解できていることもあり、導入に関して社内合意することができました。

 

また、立ち上げのスピードの速さも評価できます。ECサイトの開発は、目に見えるWebサイトの機能、つまりフロントの部分よりも、決済・ロジスティクスなどのバックエンド部分の方が、開発に時間とコストがかかります。Shopifyプラットフォームは、このバックエンド部分でもさまざまな連携ベンダーの開発したアプリが提供されており、スクラッチで要件定義せずとも容易に実装させることができました。開発期間が相当圧縮できたと思います。

 

最後にクオリティです。Shopifyプラットフォームに移行しても、これまで力を入れてきたグローバルのECサイトの機能や品質を維持しなければなりません。この点、Shopifyに精通した国内のベンダーに依頼してUIなどのカスタマイズを行うことができ、品質を落とすことなくカットオーバーすることができました。

 

 

▼サイト運営者の立場で、Shopifyに移行して「これは変わった」と思える点はなんですか?

システムの安定感は感じています。これまでのように独自開発であれば、バグやエラーはどうしても出てしまうので、そのリスクに対して保守費用を支払う、という感覚でした。一方で、Shopifyはすべてがプラットフォーム上のアプリで構築されているので、安定感があり、バグやエラーに悩まされることは非常に少なくなりました。日々、利益を上げていくためにどうしたらいいのか、というところに注力できるようになったと感じています。

 

 

レコメンドエンジンは、日本製を採用

▼世界レベルのプラットフォームであるShopifyへの移行をされながら、レコメンドエンジンに関しては日本のアイジェント・レコメンダーを選択されました。理由はどこにあるのでしょう?

以前よりシルバーエッグがShopify に対応したアイジェント・レコメンダーを提供するというお話を聞いていたのですが、サービスの特長であるリアルタイム・レコメンド機能に魅かれ、それがShopify上でも実現できるのなら、と導入を決めました。

 

ARC’TRYX(アークテリクス)の商品は、バックパックや冬用のアウターウェアが中心です。ルック&フィールが近いものが多いので、比較的シンプルなレコメンドエンジンの機能では、同じような見栄えの写真が出続けるだけになってしまうという恐れがありました。どんなに撮り方を工夫しても、店頭で手に取って商品を探すような体験は作れません。

 

その点、アイジェント・レコメンダーはサイトを訪問したユーザーさんがページをクリックするごとに、直前に見ていた商品をリアルタイムで反映し、別のおすすめ商品を提示します。このダイナミックさが、店頭での体験を補完するユーザーへの訴求力になるのではと考えました。

 

また、ノウハウを持った営業やコンサルタントの方がいらっしゃって、機能やカスタマイズに関する相談も日本語でタイムリーに応えていただけるのは心強かったですね。商品カテゴリーごとのレコメンド表示や、売れ筋ランキング表示などのカスタマイズ機能を使う際に、問題を解決してもらえました。

 

▼アイジェント・レコメンダーを導入してみて、どのようにご評価されていますか?

導入して3か月の段階で出た初回のレポートを見る限り、想定したパフォーマンスは出せていると思います。メインシーズンである冬になれば、マニアックなアイテムの多い冬用商品のデータも蓄積され、売上への貢献がより明確になってくるはずです。その点は期待しています。

 

レコメンドエンジンを利用するシーンも、コンサルタントの方から提案を受け拡張している最中です。カートページにおすすめを表示する際は、丁寧にカスタマイズ対の応をしていただき、助かりました。

 

Shopifyは基本セルフサービス型で、さまざまなアプリも自分で機能を調べ、導入判断や問題解決をしなければなりません。ですが、レコメンドのAI機能となると、かなり高度な理解が求められます。その点、シルバーエッグのコンサルタントから、きちんと説明してもらえるのは、安心感につながります。この仕組みは、続けてほしいですね。

 

アウトドア、ウインタースポーツ用の様々な製品を取りそろえる

ARC’TRYX(アークテリクス)のアイテムを、日本の顧客の嗜好に合わせレコメンド

 

プラットフォームでも、質の高い顧客体験を作る

▼今後、Shopifyでどのようなビジネスを展開しようとお考えですか?

冒頭でお伝えしたとおり、私たちは日本で独自性のあるオンラインビジネスをするために、Shopify を採用しました。日本のお客様との接点をオンラインでもより濃くして、日本ならではの施策を次々と具現化させていきたいです。

 

そんななかで、AI搭載のレコメンドエンジンに期待する部分もあります。いまは商品を作る側・売る側がどれだけおすすめしても、買う側が素直に「それを買います」という時代ではなくなってきています。独りよがりのプロモーションはしたくありません。私たちの見逃している日本のお客様の好みやトレンドのパターンを、AIの力で見つけ出し、お客様にメリットを還元していきたいです。

 

最後に、当社の6つのブランドは、互いに少しずつ領域が重なっているため、あるブランドでの成功体験を他のブランドに移行しやすいという特長があります。今回のARC’TERYX(アークテリクス)の取り組みも、他のブランドのオンラインビジネスで参考になる部分があるかもしれません。横展開でアメアスポーツをより日本に根付かせる活動をしていきたいです。

 

 

(取材 / 編集:園田 真悟)

・本Webページに掲載されているその他の商品またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。

 

 



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