「低価格雑貨のECは成功しない」という定説を打破し、業界のリーダーに! – AWESOME STORE


2014年に原宿で生まれ、現在は全国に60店舗以上を展開するAWESOME STOREは、手ごろな価格と遊び心のあるデザインで人気のライフスタイル雑貨ショップです。商品企画からマーケティング、販売までを一貫して行うSPAモデルを採用することで、低価格ながら個性あふれる商品ラインナップを実現し、急成長を遂げてきました。

 

2020年、パンデミックによるEC需要の高まりを受け、AWESOME STOREもオンラインショップの強化を図ります。しかし、業界には「低価格雑貨のECは成功しない」という定説がありました。彼らはこの壁をどのように打破していったのでしょうか? オーサム株式会社 専務取締役 堀口周作氏にお話を伺いました。

 

【Index】

・低価格雑貨は、モール出店は成り立たない?
・オンラインとオフライン、それぞれで出来ることを見極める
・ECのKPI設計:“売る”から“知らせる”へ
・雑貨のレコメンドは、ECだからこその機能
・3倍に伸びたEC売上。AIも使いこなし、次を目指す

 


低価格雑貨は、モール出店では成り立たない?

▼「低価格雑貨のECは成功しない」とはどういうことなのでしょうか?

想像してみてください。単価が数百円から100円以下の、形状も異なる雑多な商品が、倉庫から1点ずつピックアップされて異なる配送先に送られてゆく様子を。そこにかかる手間とコストはどの程度のものになるでしょうか?

 

低価格帯の商品というと、ECでも大手モールに出店しての販売が中心となるのかと思われがちですが、当社のように多種多様な低価格グッズを取り扱う業態ですと、モールに支払う商品の保管料だけで、商品の利益を相当削られることになります。

 

▼ECとリアル店舗では、お客様の買い方も違いますよね

はい。リアル店舗なら「棚を次から次へと眺めて、気になった品をカゴに入れていく」という店舗体験の流れがあり、購買単価が上がっていきますが、ECとなると画面の制約もあり、そういった「いろんなものを楽しみながら選んで買う」という行動が起きにくくなります。

 

低価格雑貨のECをやろうとすると、バックヤードのコストがかかるわりに、商品数が出ていかないという二重に苦しい状況が生まれてしまうのです。

 

▼御社はモール出店よりも更にハードルが高いとされる独自ドメインでのEC強化を進めていらっしゃいます。理由はどこにあるのでしょうか?

まず、コロナショック後の行動変容で、消費者のECに対する抵抗感が一層下がってきたという状況が挙げられます。私たちがECを始めたのは2018年からでしたが、実店舗を超えるような売上を上げることはできていませんでした。このままでは、ECにシフトしつつあるお客様の期待に応えられないと考え、ECでの顧客体験を軸としたリニューアルプロジェクトを進めることにしました。

 

もうひとつ、これは精神論に近い話になってしまいますが、「雑貨のECは成功しない」と言われるからこそ、その状況を打破したい、やってみせたい! という気持ちが膨らんできたのです。

 

当社は製販一体のSPA型ビジネスモデルと原宿発の強固なブランドイメージで、雑貨販売という競合の多い業界でも短期間で事業を伸ばすことができました。同じように、困難と言われる低価格雑貨のECで成功モデルを作り出すことができれば、業界全体を活性化させる刺激にもなりますし、パイオニアとして市場で確固たる地位を築くことができると思います。

 

ECをやると決めた以上、最高の結果を出すために、組織とKPIを設定しなおし、自社の強みを生かせる独自ドメインのECサイトで、サービスの充実を図ることにしました。

 

オーサム株式会社 専務取締役 堀口周作氏オーサム株式会社 専務取締役 堀口周作氏

オンラインとオフライン、それぞれで出来ることを見極める

▼ECサイトでも提供しようとする、御社らしい買物体験とは何でしょうか?

当社の個性や強みというのは、商品企画・デザイン、販売、マーケティングを一貫して行うSPAモデルだからこそできる、一体感のある購買体験にあります。ライフスタイル雑貨、生活雑貨、食品などさまざまなジャンルの商品を取り揃えていますが、商品のイメージはどれも統一感を持たせています。また、店内のインテリアも、ニューヨークのブルックリンを思わせるテイストに統一し、棚に並ぶ商品とマッチしたものにしています。

 

この購買体験をデジタルでも実現することが、AWESOME STOREにおける、オンラインストアの目標です。

 

▼しかし、ECサイトは実店舗のように自由に店内を歩き回ったり、商品を手に取って体験したりすることができません

肝心なのは、オンラインとオフラインそれぞれで、お客様に対して出来ることを見極めることです。実店舗でしか出来ないことを無理やりECサイトに持ち込むのではなく、それぞれの得意なやり方で、全体として同じ方向を向いた施策を行います。両者でクロスオーバーできる部分は、OMO施策として推進していくことができます。

 

例えば、店頭では質感などを確かめられる当社製品も、Webとなるとそれができません。そこで、オンラインではスタッフがもっと前面に出て、自社ECサイトやInstagramなどを通じて使用感や活用法を積極的に伝えていく方針を取っています。

 

ECのKPI設計:“売る”から“知らせる”へ

▼最近は吉本興業さんと連携した配信も行ってらっしゃいますね

吉本さんとのタイアップは、まさにオフラインとオンラインを繋げるプロモーションになっていると思います。渋谷の旗艦店にスタジオを作り、そこから芸人さんに、お店にある雑貨の使いこなし術や、隙間時間・放置時間を埋める楽しみ方をオンラインで配信してもらいました。

 

また、芸人さんに実際に商品企画を行ってもらう企画もあり、将来的には「雑貨芸人」としてブレイクしていただきたいな、という期待もあります。ECだけではなかなか伝わりにくい当社製品の魅力を、芸人さんのトーク力で広めることで、EC売上、店舗集客の両方に繋げることができたと思っています。

 

▼ECで売るというより、まず商品を知ってもらうところに力を入れていらっしゃるように見受けられます

その通りです。商売ですから、ECのKGIは売上にありますが、その前の「商品認知」をKPIに置き、重視した運用をしています。これまで店舗スタッフは、ECを一種の競合相手だとみていましたが、店舗のスタッフが自らオンラインで情報配信をし、それが評価されるスキームを作り、彼らの参加を促しました。おかげで、今ではオンライン・オフラインの垣根を超えた取り組みが活性化しています。

 

他の雑貨店にはない当社の魅力を知ってもらい、ファンを増やすことができれば、店舗、EC問わず、売り上げも自然とついてくるものだと思っています。

 

渋谷店内に作られた配信スタジオ渋谷の旗艦店 AWESOME STORE TOKYOに作られたスタジオから、リアルな情報配信が行われる

 

雑貨のレコメンドは、ECだからこその機能

▼レコメンドエンジンの活用は、EC独自の取り組みでしょうか?

そうですね。実は雑貨店という業態では、「店頭で商品をお勧めする」というのは難しいのです。例えばアパレル店では「お客様の着ている服に合いそうなシャツをお勧めする」といった接客ができますが、雑貨では難しいですよね。

 

一方で、先ほどの通り、店舗ではお客様が自発的に棚から棚へ移動して、好きなものを次々とカゴに入れていくという買物ができています。それはECではできないことです。

 

この差を埋めるために、オンラインではAIベースのレコメンドエンジンを使うことにしました。お客様のサイト内での導線(どんな商品を見たか)から、好まれそうな雑貨を予測して目につくところに表示することで、実店舗とは異なるやりかたで、併売率を上げようと思ったのです。

 

また、特にシルバーエッグのレコメンドエンジンは、メール上でもパーソナライズされたレコメンド商品を配信できる機能があり、そこにも魅かれました。

 

 

3倍に伸びたEC売上。AIも使いこなし、次を目指す

▼ECサイトリニューアルの成果はいかがでしょう?

リニューアル1年目としては、成功しつつあります。ECの売上は、3倍になりました。レコメンドエンジンも実感しています。。この調子で来年も3倍に……と言いたいところですが、そこは堅実に、きちんと打ち手を整えて伸ばしていきたいと思います。

 

レコメンドエンジンに関しては、AIの精度をどう引き出していけるかを気にしています。導入初期の段階では、商品カテゴリーごとの出し分けをしていなかったため、ユーザーが今見ている商品とはかけ離れたカテゴリーの商品が出てしまうことがありました。幸いシルバーエッグのレコメンドはカテゴリーごとの出し分け機能もありましたから、徐々に改善し、お客様にとって納得感のあるレコメンドがされるようチューニングを進めています。

 

当社の強みは何と言ってもバラエティ豊かな商品点数です。今後もシルバーエッグのコンサルタントの意見を聞きつつ、カテゴリーを超えたレコメンドや、それ以外のレコメンドレシピを試して、精度向上にトライしていきたいです。シルバーエッグには、今後もAI技術を使ったソリューションの提案を期待しています。

 

渋谷センター街に位置するオーサムストア 渋谷店

渋谷センター街に位置する AWESOME STORE TOKYO

 

 

(取材 / 編集:園田 真悟)

 



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