2023年後半戦!オンラインビジネスを活性化させるための3つのキーワード


2023年前半、コロナも第5類に移行し、いよいよ本格的にビジネスも上向きになりました。
飲食業や旅行業をはじめ多くの業種で好業績となり、下期もこの活況を減速させずに来年へ繋げたいものです。

今後のビジネスの展望を占うために、Googleトレンドの検索数の推移を元にこれまでを振り返り、注目の3つのキーワードをピックアップしました。
新しい年に向けて、2023年後半戦を駆け抜けていきましょう。
 

注目キーワードを振り返り2023年を走り抜ける

注目キーワードを振り返り2023年を走り抜ける

 

【INDEX】
生成AI
サブスク
インバウンド消費


生成AI

ChatGPTの普及により一躍注目を浴びることになった「生成AI」(Generative AI)。
Googleトレンドでもこの技術が2022年冬以降、急速に注目されるようになったことが見てとれます。

Google Trends で見る

現在のところ生成AIについての明確な定義はありません。

当初は画像や音声を補正するための反復的な処理を自動化することを指していましたが、現在ではテキスト、画像、動画、音声、さらにはコードや合成データ(synthetic data)など、あらゆるものの生成が含まれます[1]

質的にも、現在ではたんに反復的な処理だけではなく人間から見てより自然な成果物を生み出す機能として認識されています。

技術的には、自然で人間的な生成を実現するために多くの場合ディープラーニング(深層学習)が適用されています。

 

2023年後半、生成AIはいよいよビジネスでの実践的な価値が試されます。

ECサイト向けのサービスも多数発表され、オプションや連携機能としてECプラットフォーム上で稼働させることができるようになりました。

商品詳細ページの説明をAIがライティングするものや商品画像を自動生成するサービスなど生成するものは多岐に渡ります。MAやCRM上でマーケティングやプロモーション支援としてインサイトを提示する機能にも生成AIが活用されています。

 

とはいえ、実際にはまだまだ法制上の課題は多く、ビジネスの可能性も不透明です。

EUでは2023年6月にAI法案の修正案が可決されましたが、日本ではまだ5月に生成AIの論点が整理されたばかりです。これから具体的に法的な整備を進めていくことが求められ、生成AIを利用する側の企業も提供する側の企業も、海外の状況など踏まえて今後起こりうる法改正に柔軟に対処していく必要があります[2]

生成AIの実践的な効果―――どのような方法でどれだけ工数を削減できるのか? 顧客体験を向上できるのか? 売上には貢献できるのか? ―――は、現在のところ明確に示されていません。

現状は、生成AI自体がビジネスツールとしてはまだ発展途上であることを理解し、アジャイルに対応をしていく必要はあります。

開発者 / 提供者は利用者の課題や導入目的を理解し、サービスの運用フローや効果を軌道に乗せていく必要があります。ときにはPoC(実証実験)といった形で利用者側の協力を促す必要も出てくるでしょう。

いずれにせよ開発者 / 提供者の側と利用者側との相互の信頼関係によってこそ、正確な効果測定とさらなる前進は実現されます。

サブスク

「サブスク」、「サブスクリプション(subscription)」という言葉は、もともとは雑誌の定期購読を意味していました。

現在ではSpotifyやNetflixのような月額制(あるいは定額制)で提供されるデジタル配信サービスをイメージする人が多いでしょう。

 

サブスクは、物を増やさずに豊富なコンテンツを楽しめる点が断捨離ブームとも相まって、国内ではちょうどコロナが流行した2020年頃から急速に普及しました。

流行当初はデジタルコンテンツにとどまらず、物をレンタル形式で貸し出したり、定額で毎月のトレンドや時節に合った商品を届けるサービスなど次々と新しい形態のサブスクが登場しました。

 

ここ1年のトレンドは落ち着いた傾向にあり、すっかり一般化したサービス形態として定着しました。それでも2023年に入ってからもなお、サブスクサービスの提供を開始した企業は多数あり[3]、類似サービスからいかに差別化するかが成功のポイントになります。

Google Trendsで見る

サブスクを類似サービスからの差別化するポイントとして、考慮しなければならないことはパーソナライゼーションです。サブスクの継続率を維持するためには、ユーザー個人にとって価値のある情報を提供し続けなければなりません。そのため、ユーザー一人ひとりの嗜好に合わせた商品やコンテンツの提案を行うレコメンドの機能は、サービスの付加価値向上に重要な役割を果たします。

シルバーエッグ・テクノロジーのAIレコメンドサービス「アイジェント・レコメンダー」も、漫画配信アプリや動画配信といったサブスクサービスで導入事例があります[4]

 

レコメンドがサブスクにとって特別な理由は大まかに3つあります。

 

1つは、とくに動画や音楽といったデジタルコンテンツに顕著ですが、サブスクは大量なコンテンツを用意することで他の類似サービスや物販への優位性を保てるという側面があります。

大量のレコードを所有しなくとも好きなときに好きなだけ音楽が聴ける。こうしたことに価値を見出すユーザーは、選択肢が狭まることを好みません。しかし実際に音楽を探したり視聴する時間は有限です。視聴したい音楽が埋もれずすぐに見つかるようにするには、精度の高いパーソナライゼーション機能が不可欠です。

 

2つめは、オンラインで完結するため地域属性による拘束がほとんどなく、ユーザーの嗜好が純粋に視聴に反映されやすい点です。

Netflixでは、ユーザーが見ている75%のコンテンツは、パーソナライズされたレコメンドを経由していることが同社の調べで明らかになっています[5]。これは通常の物販ECに比べて非常に高い効果と言えます。

 

3つめは、サブスクは顧客行動情報が蓄積されやすく機械学習による精度も上がりやすいということです。

通常の物販であれば、購入後に再び訪問するまでの空白期間はどうしても学習が進捗しにくくなります。その点、サブスクは定額制のためユーザーは「購入」を意識していなくても気軽にサイトやアプリを訪問し回遊します。さらに一度買ったら終わりになりかねない販売形式と異なり、サブスクは基本的に数ヶ月以上の中~長期的に継続して利用されるサービスです。

 

Spotifyは現在でも次のような件名のメッセージをユーザーに送っています―――「パーソナライズされたおすすめのプレイリストを、あなたのテイストに合わせてキュレートしました」[6]

NetflixやSpotifyのようなサブスクを主体とするサービスにとって、レコメンドの機能が重要な付加価値であることを示しています。

 

コロナ禍にサブスクを開始したものの類似サービスが増えて差別化が難しい、これからサブスクを軌道に乗せたいという課題があるならば、2023年後半はレコメンド機能を見直してパーソナライゼーションによる付加価値向上に力を入れることが近道になります。

インバウンド消費

訪日外国人観光客による日本国内での消費をインバウンド消費ないしインバウンド需要と呼びます。

とくに2014年から2015年にかけての中国からの旅行客による「爆買い」で注目されるようになり、その後はゆるく定着しました。

 

Google トレンドを見るとコロナが流行し始めた2019年冬から徐々に検索数が低迷しますが、2022年春ごろから回復し、2023年6月には2016年以降で最大の検索数になっています。「爆買い」の2015年に近い水準になりつつあります。2023年8月以降は円安に加えて中国の団体旅行も解禁され、旅行業界や百貨店、小売業を中心に期待が高まっています。

Google Trendsで見る

 

インバウンド消費を伸ばすために必要な対策はリサーチから実際の接客まで多岐に渡りますが、デジタルチャネルの役割も見逃してはなりません。

観光客の関心や購入意欲は旅行中にもっとも高くなります。店舗に足を運んでもらうだけでなく、せっかくの機会なので、SNSやオンラインショップの存在を知ってもらえるよう、リーフレットやショッパー、店頭POPなどにURLやQRコードを表示し、サイトの訪問や公式アカウントのフォローをしてもらえるようメッセージを添えておきましょう。

海外旅行の帰路や帰国後、荷物が多くて諦めてしまったり、お土産を買い忘れてしまったり、あるいはリピートしたいけど手に入りにくいといった経験をする旅行者は多いです。ECや海外モール店舗の存在はそうした顧客のニーズに応えることになります。

 

情報発信を強化したいならば、海外向けSNSの発信から始めるのが手軽です。

日本の観光地や商品に興味を持ち始めた海外の潜在顧客に向けて積極的に情報発信することで、親しみや期待を高めることができます。InstagramやFacebookが一般的ですが、中国の顧客向けにはWeiboやWeChatがより身近です。

 

商品を売るための海外向けチャネルとしては、やはり海外モール出店や越境ECに着手する必要があります。

海外モール出店は自社でサイトを立ち上げる必要はありませんが障害も多いです。各国の言語に対応したサポート体制の確立など、出店審査基準をクリアしなければなりません。

越境ECは自社サイトを多言語化したり決済システムを導入しなければならないという点で、ハードルを感じる企業も多いでしょう。

しかし近年はインバウンド対策のEC向けツールや連携機能も充実しています。

多言語化ツールについては種類も豊富なため、利用しているECプラットフォームと連携できるサービスがないかまずは確認してみましょう。自動翻訳によって表示を切り替えるだけでなく、ユーザー言語ごとに画像を出し分けたり、海外の検索エンジンに合わせたSEO対策ができるものなど、機能も充実しています。

決済システムについては、とくに中国ではAlipayをはじめとするモバイル決済が、オーストラリアや欧州ではPayPalの利用が多いとされます。近年では越境EC向けに物流システムと合わせてパッケージ化されたサービスも多く、海外からの購入もスムーズに対応できるようになっています。

多言語化と決済システムの他に、レコメンドも手軽で越境ECにおすすめの機能です。パーソナライズされたコンテンツ表示は、国内とトレンドや文化が異なる海外のユーザーにも訴求しやすいです。AIレコメンドのアルゴリズムである協調フィルタリングは、自分と似た嗜好のユーザー集合の傾向を元に提案を行うことができるからです。たとえばインドのある地域で現在放送中の人気アニメがあるとして、同じ地域に在住サイト訪問者がそれに関連したグッズを好むといった傾向がある場合、AIレコメンドは自動的にこのトレンドを取り入れて商品提案をします。在住地域のトレンドや自分の嗜好に合った商品が表示されるため、日本のサイトであっても、ユーザーにとって親しみを感じやすいサイトになります。

 

越境ECを充実させることで、旅行をきっかけに身近になった日本の商品やブランドを手軽に手に入れたいという顧客のニーズに応えることができます。

 

いわゆる「爆買い」は一時的な消費でしたが、数ある観光地の中からわざわざ日本を訪問し商品を購入する顧客の中には、優良顧客となりうる人も多く存在します。

2023年後半、インバウンド消費を一過性のイベントに終わらせず、その後の長期的 / 継続的な関係に繋いでいくことができるかどうかは、オンラインのチャネルの充実にかかっているといえます。

 


 

【脚注】

 

[1] 出典: https://www.techopedia.com/definition/34633/generative-ai

[2] 知的財産権の問題や、AIが生成したものの真偽や倫理的に不適切な主題に関するセーフガード機能、学習や判断における透明性といった問題は、今後も修正が加えられていくことが予想されます。

[3] 一例を挙げると、大丸松坂屋百貨店による冷凍食品の提供やファッションのサブスク事業のメンズ参入、ダイハツ工業による中古車のレンタル、ポーラによるエステ事業 等があります。

[4] 成功事例は下記を参照ください。また他にも動画配信等非公開事例がございます。
EC事業者も必見!サブスクサービス「まんが王国」に学ぶ、 LTVの伸ばし方と、ABテストの重要性(  https://www.silveregg.co.jp/archives/news/3422

「アイジェント・レコメンダー」を Amaziaのマンガアプリ「マンガBANG!」へ導入~膨大な作品のなかから、AIが個人の好みに合ったマンガを瞬時に選出~( https://www.silveregg.co.jp/archives/news/3290

[5] 出典: https://netflixtechblog.com/netflix-recommendations-beyond-the-5-stars-part-1-55838468f429

[6] このメールは実際に執筆者宛に何度か届いています。またApple MusicやAmazon Musicも「おすすめの音楽」をお知らせしたりプレイリストを自動生成することに付加価値を見出し、同様なサービスをサブスクに組み込んでいます。



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