EC用ハッシュタグを自動生成! アパレル専用『ハッシュタグ・ジェネレーター』を使ってみよう


シルバーエッグ・テクノロジーは、アパレル・ファッションEC向けのハッシュタグを使った顧客体験向上ツール「ハッシュタグ・ジェネレーター」を開発し、2022年より一部のお客様への提供を開始しています。今回は、AIを使ってハッシュタグを自動生成する本ツールのメリットと効果について、ご紹介します。

 

【Index】
ハッシュタグ・ジェネレーターとは
問題解決1:その帽子、「バケハ」? それとも「バケットハット?」
問題解決2:タグ“つけ忘れ”の撲滅!
AIに任せて、サイトの隠れた利便性を上げていこう


 

ハッシュタグ・ジェネレーターとは

ハッシュタグ・ジェネレーターは、AIレコメンドのトップランナーであるシルバーエッグ・テクノロジーと、ファッションに特化したAI技術を提供する株式会社ニューロープとのコラボレーションによって生まれたサービスです。

 

ECサイトのハッシュタグには、従来のカテゴリー分類を超えた商品探索を可能にし、サイト内の回遊性を向上する効果があります。ハッシュタグ・ジェネレーターは、この機能を簡単に導入し、AIによってハッシュタグの生成・埋め込みを自動化できます。

 

ハッシュタグの運用をAIシステムに任せる意義は、運用負荷の低減だけにあるのではありません。重要なのは、タグの「正規化」と「網羅性」によるユーザー体験の向上、それによるロングテール商品のCVR改善です。

 

この「正規化」と「網羅性」がなぜ重要なのか、もう少し深掘りしてみてみましょう。

 

 

問題解決1: その帽子、「バケハ」? それとも「バケットハット?」

たとえば、いま御社のサイトに、バケツをひっくり返したような形の帽子が入荷したとします。正式名称はバケットハットですが、店舗の店員さんやお客様は、「バケハ」と呼びます。では、その商品に付けるタグとして最適なのは、「バケハ」でしょうか? それとも「バケットハット」でしょうか? あるいは、「両方」でしょうか?

 

実はここで問題になるのは、どのタグが正しいかではありません。人によって、商品に付けるタグが変わってしまうことです。

 

Instagramのように、各投稿にトレンドに即したタグをたくさんつける理由は、トレンドワード経由でなるべく多くのSNSユーザーにアクセスしてもらい、サイトに誘導するためのものです。しかし、ECサイトのタグの目的は、サイト内の在庫商品をなるべく多く見てもらうことです。ECサイトで担当者がその場のノリでタグを付けたり、複数名体制でルールを決めずにタグを付けていったりすると、ある商品は「バケハ」タグで見ることができるのに、別の商品は見られない、といったことが容易に起こります。最悪の場合、クリックしたのに関連商品が何もないタグが生まれたりします。

 

タグ化されたキーワードが何であれ、クリックしたユーザーが関連する多くの商品を見つけられなければ、わざわざタグを付与する意味はありません。ECサイトでは、SNSのようにたくさんタグを付けること以上に、常に共通性の高いタグを付与していくことのほうが重要です。

 

SNSとECサイト、ハッシュタグ運用の違い

 

このような問題を解決するために、AIによる自動化が有効です。ハッシュタグ・ジェネレーターは、ニューロープが2014年から継続して収集しているファッショントレンド情報から選定し、表記ゆれを排除した600種以上のタグリストを使っています。AIがそのリストを参照し、商品画像分析から「どのタグが適切か」を判断してタグ付けします。また、AIの付与したタグが正しいかどうかは、専門のチェッカーが常に監視しており、誤ったタグ付けを発見すると修正し、AIにそれを学習させています。

 

文字情報であるハッシュタグの生成を商品画像から行うのには理由があります。商品に紐づく文字情報(説明文や顧客のレビューなど)を解析してタグ生成を行うと、その内容がトレンドや個人のバイアスに左右されやすくなり、タグの一貫性が保ちにくくなるのです。たとえば、前シーズンに発売されたシャツの後継商品が、トレンドの変化で商品説明が一変してしまい、同じ系統の商品として認識されないといったことが起こり得ます。

 

その点、アパレル商品専門のトレーニングを施された画像解析AIを用いれば、商品の客観的な情報に基づくタグを生成できます。

 

なお、本製品の参照する600種のタグリストは、他の類似製品の2倍以上のバリエーションです。商品の基本的な分類から「#アーモンドトゥ」「#ピスタチオグリーン」といった、形状、色に関する細かな情報までを網羅しており、また新たなトレンドが登場するごとにその数を増やしていっています。

 

ハッシュタグの付与を人間の感性に任せず、AIが客観的な視点で「正規化」したタグを付与することで、初めてサイトにアクセスしたユーザーでも使いやすいタグ検索が実現します。また、SEOの観点でも、正規化されたタグが豊富に含まれていることでページの評価が上がることが期待されます。

 

 

問題解決2: タグ“つけ忘れ”の撲滅!

人力に頼ったハッシュタグ運用で問題になるのは、商品リリース時に担当者にかかる運用負荷です。毎シーズン登場する新商品に対し、MDの意見も聞きながら、担当者個人の感性に頼らない“正しい”タグを設定し、そのタグが既存の製品と共通するものなのかチェックしなければなりません。ましてや、タグのつけ忘れなどあってはならないことです。「ハッシュタグ」はサイトの機能のごく一部ですが、この業務にかかるストレスは想像以上です。

 

ハッシュタグ・ジェネレーターは、このタグ付け業務をシステム化することで、担当者の業務負荷を下げ、あらゆる商品にハッシュタグが漏れなく付けられるようにしています。

 

レコメンドエンジン「アイジェント・レコメンダー」と、商品情報取得システムを共通化することで、新製品が登録されるたびに自動的にハッシュタグを生成でき、つけ忘れの心配はありません。前述の通りタグは正規化されているので、既に販売中の同系統の別製品とのリンクも完璧です。また、ハッシュタグ・ジェネレーター導入時のシステム連携などの工数も削減できます。

 

ハッシュタグ・ジェネレーターであらゆる製品がタグで網羅されることで、アイジェント・レコメンダーのAI機能の補完もできます。アイジェント・レコメンダーのAIは、顧客一人ひとりの好みやトレンドを追うことに強みがありますが、ユーザーに人気のない(=あまり閲覧されていない)商品は、レコメンドにも出にくい構造になっています。

 

レコメンドだけでなく、ハッシュタグを経由した商品閲覧ができるようになると、ユーザーは今までレコメンドされなかった気になるジャンルの商品を見つけられます。サイトの回遊性を改善し、ロングテール商品の購入機会を増やすために、ハッシュタグ・ジェネレーターは有効です。

 

 

AIでサイトの隠れた利便性を上げていこう

ハッシュタグは、普段SNSを使っている我々にとって非常になじみがあり、使いやすいものです。この機能をECサイトに導入しようと考えられている企業も多いのではないでしょうか?

 

ただし、検索エンジンやレコメンドエンジンと同じく、ハッシュタグ機能をただ入れただけでは、ユーザー体験も、タグ経由での売上も、なかなか上がりません。ユーザーがせっかくハッシュタグに関心を示してクリックしても、出てくる商品がほとんどなかったり、関連性の低いものがあったりすると、逆にユーザー体験は下がります。

 

ハッシュタグやレコメンドのような、ユーザーいとって当たり前とも思える機能こそ、AIと組み合わせることによって、大きな成果を出すことができます。ユーザーに商品を薦めたり、商品にピッタリのタグを考えたりといった、ささやかではあるものの大量の「考えなければならない」仕事を、AIシステムに任せることで、サイトのユーザー体験向上と、運営者の負荷低減を、同時に達成することができるのです。

 

ハッシュタグ・ジェネレーターに搭載されたユーザー体験を裏から支えるAIの実力を、ぜひ試してみてください。

 

 

(文責:園田真悟)



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