サードパーティCookie規制後は「LTV向上」が鍵、焦点はレコメンドエンジンに


(本記事はWeb担当者フォーラムからの転載です)

 

長らくネット広告の中核技術であったサードパーティCookie廃止後のWebマーケティングはどうあるべきなのか。その問いに対する答えの1つが、ファーストパーティCookieを利用してリピーターを作り、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を最大化するという考え方だ。AIを使ったレコメンドエンジン「アイジェント・レコメンダー」でWebマーケティング業界において存在感を発揮しているシルバーエッグ・テクノロジーに話を聞いた。

 

シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 CMO 執行役員 マーケティング部 ディレクター 倉石英典氏(左)、
マーケティング部 シニアマネージャー 園田真悟氏(右)

 

【INDEX】

顧客のLTVをいかにして高めるか

顧客の商品選択をAIが助け、選んだ結果をAIが学習

メールや店舗アプリも加えた、総合的なパーソナライズド・マーケティング


顧客のLTVをいかにして高めるか

一度検索したことのある商品の広告が、ほかのWebページを見たときに繰り返し表示された経験をもつ人は多いだろう。この「リターゲティング広告」が使えなくなることが、サードパーティCookieの廃止に伴う大きな問題となる。

 

リターゲティング広告は、ウェブサイトに一度来訪したユーザーを再び来訪させ、購入を促す手段として使われてきたが、それが今後使えないとなると、別の方法でリピーターを呼び込み、購入頻度や購入単価を上げていく必要がある。

 

「顧客獲得単価が高止まりするなかで、既存顧客をどれだけ大事にできるか、LTVをいかに高めるかがポイントになります」と指摘するのは、シルバーエッグ・テクノロジー(以下、シルバーエッグ)のCMO 執行役員マーケティング部ディレクター、倉石英典氏だ。

 

例えば、あるECサイトで一度購入経験のあるユーザーに、もう一度そこで買いたいと思わせるには顧客体験が重要になる。優れた顧客体験を提供するために、企業はウェブのポップアップ、アプリのメッセージング、CRMによる顧客分析などを利用するが、ECサイトとして何よりも肝心なのは、訪れたユーザーにとって価値のある「商品」や「コンテンツ」をレコメンドしてくれるかどうかだ。自分がほしい商品を見つけられるか、購入後に適切な情報提供があるか。それができなければ、ユーザーはそのサイトに魅力を感じてくれない。

 

「消費者が利用するECサイトは、徐々に固定化されていくものです。1カ所で購入した方が便利だからです。お客様一人一人をパーソナライズして、『ここに来れば自分に適した商品がそろっている、探しやすい』という快適な売場環境を作りだす必要があります」(倉石氏)

 

顧客の商品選択をAIが助け、選んだ結果をAIが学習

シルバーエッグは1998年の設立以来、一貫してLTVの最大化を実現するパーソナライゼーションに取り組んできた。その中核となっているのが、AIレコメンドエンジンの「アイジェント・レコメンダー」だ。ユーザーの行動データを収集・分析し、1人ひとりのニーズに合致する商品・情報をリアルタイムで予測して、レコメンドすることが可能になる。物販のサイトに限らず、人材・求人、コンテンツ配信、不動産、金融、旅行といった商品・情報の多いサイトでのマッチングにも非常に効果的だ。

 

図1:閲覧履歴から店頭接客のように個別ユーザーの嗜好にあった情報をリアルタイムでレコメンド

 

リターゲティング広告は、ネットショップにセーターを買いに来た顧客がサイトを離脱したあとも、ユーザーを追跡し、未購入のセーターやそれに関連する広告を繰り返し出すことで顧客の関心を促していく。一方アイジェント・レコメンダーは、ユーザーがサイトを離脱する前の僅かなサイト内の行動から、ユーザーの潜在的な嗜好やニーズを予測し、セーターと組み合わせて着られそうなパンツやアクセサリー、ストリートフォトの写真、スタッフのブログ記事など、ユーザーにとって魅力的な多様なレコメンドを提示し、サイト内での顧客体験をリッチにすることで、購入の確率や購入単価を上げてゆく。

 

「膨大な商品やコンテンツの中から、『このお客様だったらこれを選びそうだ』というものをAIが探して提案するとともに、その結果をAIが学習することで、より精度を高めていきます。単に似ている商品や売れている商品をレコメンドするのではなく、そのお客様が潜在的に欲しかったものとの出会いを生み出す技術です」と話すのは、マーケティング部 シニアマネージャーの園田真悟氏だ。

 

園田氏によると、アイジェント・レコメンダーを使うことで、レコメンドエンジンを使わないときと比べて10%から15%程度コンバージョン率が上がる、またAIを使っていない既存のレコメンドエンジンに比べると2割程度効果が高くなったという結果もあるという。例えば、800万種以上のアイテムを扱う中古ネット通販ショップ「まんだらけ」では、AIレコメンドによる売上が、EC全体の5%以上を占めているという事例もある。店舗の商品プロフェッショナルが想像もしない商品をAIがレコメンドし、店舗スタッフのおすすめ商品よりも数多くクリックされるケースも多いという。

 

アイジェント・レコメンダーにより、顧客に有益な商品・情報に出会える顧客体験をつくることで、サイト回遊性強化・離脱率低減、コンバージョン率向上、セッション当たりの売上単価向上、再訪率・再購入率向上といった効果が期待できる。そうしてサイトのレピュテーションを向上させることが、結果としてファーストパーティCookieへの同意にもつながる。

 

「信用力や魅力のないサイトでCookieへの同意を促されても、多くのお客様は同意しません。優れた顧客体験を提供できているサイトでなければ、Cookieへの同意も増えないのではないでしょうか」(倉石氏)

 

メールや店舗アプリも加えた、総合的なパーソナライズド・マーケティング

シルバーエッグでは、メールでのパーソナライズを可能にするサービス「アイジェント・レコガゾウ」も提供している。メールマガジンや購入後のフォローアップメールの本文に、一人ひとり異なる商品をレコメンドできるシステムで、優良顧客に対してはもちろん、再訪してくれない顧客の再訪・再購入も促すことができる。アイジェント・レコメンダーとアイジェント・レコガゾウの組み合わせで、総合的なパーソナライズド・マーケティングが可能になるというわけだ。

 

例えば、実店舗のPOSデータを取得して分析し、会員IDごとに購買履歴からその人が次に買いそうなものを高精度でレコメンドすることも可能だ。

 

「単にメールでセールを告知するだけではなく、『こんな商品がオフです』と具体的に提案することで、お客様のモチベーションを高められます。会員アプリがあれば、次のおすすめ商品をプッシュ通知するなどの利用法も可能です。そうすることで、店舗への再訪だけでなく、店舗顧客のECサイト利用を促すことも可能です」(園田氏)

 

図2:ウェブと実店舗を連携させたレコメンド

 

リターゲティング広告は、しばしばユーザーに煩わしさを感じさせる。その時点ですでに顧客の気持ちを無視した施策だと言える。個々の顧客に価値ある情報を伝えることで心をつかみ、LTVの最大化を図ることこそが、ビジネスの王道であろう。それを実現するうえで、AIレコメンドエンジンによるパーソナライズが果たす役割は大きい。

 



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