EC売上アップの分岐点はここに!プロが教えるページ別レコメンド設定講座 Part 3. 商品詳細・カートページ編


レコメンドエンジンを使い倒して、ECサイトのコンバージョン率アップ・売上アップを実現するためには、トップページ、カテゴリーページ、商品詳細ページなど、ユーザーの行動フェーズに応じて“最適なレコメンドを設計すること”が欠かせません。

そのための実践的な設定方法を、ユーザーの「買い物体験」における心理状態を鍵に3回シリーズで解説します。

 

第3回となる今回は、レコメンドがもっと求められる商品詳細ページと、カートページでのノウハウについて、AI搭載レコメンドサービス「アイジェント・レコメンダー」でECサイトの売上UPを支援するシルバーエッグ・テクノロジーの専門家が、具体的な施策とチューニングのコツを紹介していきます。

 

 

解説:シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 アカウントコンサルチーム マネージャー 明石 清胤

 

【INDEX】
・購入か離脱かの最終分岐点!商品詳細ページで“迷い”を“確信”に変える
・客単価アップの最後の砦!カートページで仕掛ける“ついで買い”の技術
・まとめ:顧客体験を止めないレコメンド設計で売上を最大化する


購入か離脱かの最終分岐点!商品詳細ページで“迷い”を“確信”に変える

 

── 商品詳細ページでのレコメンドの役割とは何でしょうか?

 

明石: このページの役割は、ユーザーの購入決断を後押しすること、そして万が一その商品に満足しなかった場合に、サイトから離脱させないための“受け皿”を用意することです。 そのため、複数の選択肢を提示し、ユーザーの関心を引きつけ続けることが重要になります。

 

── 具体的には、どのようなレコメンドが有効ですか?

 

明石: 「多段レコメンド」と呼ばれる、複数のアルゴリズムを組み合わせた手法が効果的です。 例えば、「この商品を見た人は、これも見ています」という閲覧相関型のレコメンドで“似たような別の選択肢”を提示しつつ、その下には「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」という閲覧-購買相関型のレコメンドで“合わせ買いの提案”をする。 このように複数の切り口で商品を提案することで、ユーザーの様々な心理に応え、回遊を促します。

 

── 最近はスマートフォンで閲覧するユーザーがほとんどですが、見せ方で工夫すべき点はありますか?

 

明石: スマートフォンでの体験は非常に重要です。最近のトレンドは、ショート動画サイトのように、縦にスクロールすればするほどタイル状に商品が次々と表示されるUIです。 多くの商品を展開するサイトでは、横にスワイプさせるカルーセル表示よりも、縦スクロールの方がユーザーの操作に馴染みやすく、多くの商品をストレスなく見てもらえます。 まさに「ついつい見てしまう」体験を作り出し、新たな商品との出会いを創出するわけです。

 

 

 

客単価アップの最後の砦!カートページで仕掛ける“ついで買い”の技術

 

── カートページでは、どのような発想でレコメンドを設計すべきでしょうか?

 

明石: ここでの体験は、実店舗のレジに並んでいる光景をイメージすると分かりやすいです。 レジ横にガムや電池といった小物が置いてあり、つい手に取ってしまうことがありますよね。 あれと同じで、「カートに入れた商品と一緒に買うと便利なもの」や「買い足しやすいもの」を提案するのが基本戦略です。

 

── その「一緒に買うべき商品」は、どうやって見つけるのですか?

 

明石: AIが「同時購入相関」を分析し、カートインされた商品と実際に一緒に購入されている商品を自動で提案します。 例えば、シャツをカートに入れたユーザーに、それに合うネクタイやインナーを提案する。ユーザーの行動データを基にしているため、非常に確度の高いクロスセルが期待できます。

 

── より戦略的なテクニックはありますか?

 

明石: 「価格フィルター」を使ったレコメンドも非常に強力です。 例えば、「あと〇〇円で送料無料」という場合に、その差額を埋めるのに最適な価格帯の商品をレコメンドするカスタムも可能です。 また、高額な商品がカートに入っている場合には、あえて安価なメンテナンス用品や関連アクセサリーなどを提案することで、「これくらいならいいか」という“ついで買い”を誘発できます。

 

 

まとめ:顧客体験を止めないレコメンド設計で売上を最大化する

 

── 最後に、3回にわたる連載の総括をお願いします。

 

明石: トップページからカテゴリーページ、そして今回の商品詳細ページとカートページまで、各ページにそれぞれ異なる役割があり、レコメンドもその役割に応じて設定を変えるべきだ、ということをお伝えしてきました。

 

重要なのは、レコメンドエンジンを「商品を自動で表示する箱」として捉えるのではなく、「顧客体験を向上させ、売上を能動的に作り出すための戦略的ツール」として捉え直すことです。

 

ユーザーがサイト内をスムーズに回遊し、新たな商品と出会い、ストレスなく購入に至る。この一連のスマートな顧客体験を設計することが、最終的に売上という成果に繋がります。 我々のようなコンサルタントが介在し、二人三脚で最適なチューニングを施していくことで、その効果は最大化されます。 “放置”されたレコメンドから脱却し、ぜひ“売上を上げる”レコメンドの運用を始めてみてください。

 

 

(取材・編集: 園田 真悟)


 

ECサイトの売上改善に結び付く、レコメンドエンジンの事例を紹介中!

レコメンドエンジン 事例集

 

事例まとめ資料をダウンロード

 

 



シルバーエッグ・テクノロジーの最新のニュースや導入事例等は、メールマガジンでもご紹介しております。

メールマガジンの配信をご希望の方は、下記お問合せフォームよりご連絡下さい。

また、製品に関するお問合せや導入のご相談は、下記お問合せフォームおよびお電話にて承っております。

お問合せはこちらから
このページの先頭へ