客単価130%向上! コロナショックを乗り越え、ECでのスピード感のある商品展開を目指す – 「ブルーメイト」


株式会社ブルーメイトは、Cepoなどのカジュアルブランドで知られる総合アパレル企業です。繊維産業の盛んな広島で創業し、ジーンズの製造業から始まった同社は、複数の独自ブランドを擁するSPAへと発展を遂げました。順調に出店を重ねたブルーメイトでしたが、コロナ禍による顧客の行動変容の影響は、決して小さなものではありませんでした。

 

実店舗の苦境をECで補うため、ブルーメイトは組織の変更と、ECシステムの更改の両面で、改革を実行しました。そのポイントはどこにあったのでしょうか? EC営業課課長 小菅 桂氏にお話を伺いました。

 

【INDEX】
コロナ禍を乗り越え、EC独自の戦略に取り組む
組織とシステム、両面の改善でスピードUP
レコメンドで「個客」の満足度を上げ、客単価130%向上を実現


コロナ禍を乗り越え、EC独自の戦略に取り組む

▼ブルーメイトのブランドについて教えてください

ブルーメイトはCepoとe.r.g*の両ブランドを中心とし、主に20-30代の女性をターゲットにしたカジュアルウェアの製造販売で成長してきました。実店舗販売では、近畿・中国を中心にテナントショップと大型のロードサイドショップを展開しています。オンライン販売では、Cepoとe.r.g*を扱う自社ECサイトのほか、ZOZOTOWN、Rakuten Fashionの両ECモールにも出店しています。

 

▼この3年のコロナ禍は、ブランド運営にどのような影響を与えたのでしょうか?

それまでビジネスが勢いよく伸びていたぶん、コロナ禍のネガティブなインパクトも大きなものとなったと思っています。

 

行動制限によって来店者数が落ち込み、短期的な売上減少だけでなく、店舗スタッフの接客練度も上げられないという状況になり、店舗の営業力が相当削がれることになりました。また、ステイホームの定着により、ターゲットであるヤングミセス層が求めるラインナップに大きな変化もありました。実店舗のメンバー会員さんもたくさんいらっしゃるのですが、引き続きブランドに関心を持っていただくために、苦心しています。

 

ECの強化は、実店舗に来る機会が減ってしまった既存のお客様に、引き続きブランドに触れていただくための施策です。同時に、実店舗で知り合う機会が無かったお客様にも、Cepoを中心とした当社ブランドの良さを知ってもらい、ECでオーガニックに顧客を増やしていきたいという思いもあります。

 

▼ECサイトと実店舗とで、マーケティング施策に何か違いはありますか?

これまでは実店舗のお客様にもECを使ってもらうため、リアルとデジタルでターゲティングにあまり違いを設けてこなかったのですが、最近になり、徐々にお客様のペルソナを分離して施策を考えるようになりました。

 

ECのお客様は、店舗に比べトレンドにより敏感なところがあると思います。シーズンの定番をきっちり揃えて売り切る施策だけでなく、トレンドアイテムをどんどん攻めていく手法が重要です。シーズン前に新製品を早く見せて、先行予約をしていただけるお客様を増やすといった取り組みが効果を上げつつあります。

 

また、店舗ではジーンズを中心としたカジュアルウェアが売れ筋でしたが、ECではあまりデニムのパンツは売れません。これはネットでは採寸がしづらいという技術的な問題があるのかもしれませんが、コロナによるトレンドの変化もあるかと思います。ECではオフィスカジュアルにより力を入れ、またサイズ展開の無い商品をEC独自で販売するなどの取り組みを行っています。

 

ブルーメイト社『Cepo』店舗の品ぞろえ

 

 

組織とシステム、両面の改善でスピードUP

▼ECの中でも、自社ECサイトとモールサイト出店では顧客特性も違うのかと思いますが、こちらはいかがでしょう?

モールサイトは新規のお客様が多く、自社ECサイトは既存会員さん中心という根本的な違いはありますが、最近は逆に、モールサイトと自社ECサイトでそこまで差別化はしなくてもよいのかな、と考えています。

 

モールサイトはとにかく競争が激しいです。実店舗では同じ地域、同じショッピングモールのお店さんが競合でしたが、ECのモールサイトではそれこそ国内の全ブランドが一同に比較され、競合となります。他社のトレンドを観察し、自社商品をシーズン前にいちはやく掲載して目立たせなければなりません。

 

一方の自社ECサイトは、「個客」とも言いますが、会員のお客様一人ひとりに満足していただかなければなりません。だからといって、ECモールで重視している新製品の早期展開はやらなくていいという訳ではないのです。むしろ、バリエーション豊かな新製品を自社ECサイトで選んでいただくことも、「個客」への対応の重要な一手だと思います。そういう意味で、モールと自社サイトであまり商品展開に差異をつけないようにしています。

 

▼デジタルでの展開を強化するにあたり、具体的にどのような取り組みをされていますか?

スピード感を上げるため、システム面でも、物理的なスタッフィングの面でも、変革を行っています。

 

まず、物理的なスタッフィングの面では、ECの運営を製品企画部隊のいる大阪に集約しました。以前は本社のある広島でECの運営も行っていたのですが、掲載用のモデルの手配に手間取るなど、場所に起因する制約が意外とあったのです。コロナ禍でのオフィスの統廃合を機に、大阪に拠点を移して、企画部隊と直接やりとりしながら、商品をスピーディーにECで売れる体制を構築しました。

 

それまで企画部隊は店舗での販売を中心に動いていましたので、先ほどのようなモールでの激しい競争やスピード感は、なかなか理解してもらえませんでした。喧々諤々の議論を経て、現在では次シーズンのサンプルをいちはやく撮影し、ECの店頭に出すといった取り組みができるようになっています。

 

システム面では、自社ECサイトの基盤をオープン系のECシステムに更改し、内製度を高めています。し、ちょっとした変更でもすぐに対応してもらえる体制を作っています。見せ方を変えたり、通知のポップアップを出したりといった細やかな対応を、スピーディーに行っていくことで、「個客」の皆様の満足度を上げていこうと考えています。

 

 

レコメンドで「個客」の満足度を上げ、客単価130%向上を実現

▼レコメンドエンジンの入替も、「個客」の満足度向上の一環かと思います。なぜ導入を決断し、どのような成果を出されているのでしょうか?

導入のきっかけは、ECシステムの全面更改に伴い、従前のレコメンドエンジンの機能が不十分になり、新規導入が必要となったためです。製品選定においてはやはり、アパレル業界に適したパーソナライズが出来る点を重視し、シルバーエッグ・テクノロジーの「アイジェント・レコメンダー」に決定しました。

 

サイトの更改は2022年2月で、その後2か月ほどはシステム全体の調整や微修正を行っていましたが、その間にもAIの学習が進んでいたのかと思います。6月~8月期のレポートでは、レコメンド商品を見たお客様の客単価が、他のお客様に比べ平均で130%向上するという成果を得ています。私の目でも、レコメンド欄にはワンパターンでない、バラエティ豊かな商品が出ていると確認できています。レコメンドによる商品提案が、トレンドに敏感なお客様のニーズにマッチし、併売率の向上に寄与できていると考えています。

 

▼最後に、ブルーメイトのECの今後についてお聞かせください。

自社ECサイトは、モールなどでの販売に比べ、一番利益が出せるはずです。それを実現するために、システム面でも組織面でも改革を行いました。あとは、満足のいくコンバージョン率を得るために、ひたすら改善を重ねていかなければなりません。お客様がストレスなく買い物できるサイトにし、また店舗とECの相互利用も活性化させていく必要があると考えています。

 

サイトのリニューアルから半年が経ち、真価が問われるタイミングです。より良いサービスを作るために、できることは何でもしていきたいと思っています。

 

 

取材 / 編集: 園田 真悟(シルバーエッグ・テクノロジー)

 

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