B2B ECへの挑戦!売上の1割はAI機能で作る – 「山善ビズコム」


株式会社山善は、工作機械や機械工具などを生産現場に届ける「生産財関連事業」と、住宅設備機器や一般消費者向けの生活用品を販売する「消費財関連事業」からなる専門商社です。その中で、家電やインテリア家具など、山善のプライベートブランドの商品は、多くのユーザーを獲得しています。

 

種類豊富な山善のコンシューマー向け商品を直接販売するオフィシャルECサイト『山善ビズコム』が、2022年の5月にオープンしました。しかしこのサイトのターゲットは、個人顧客以上に、法人顧客にあるといいます。

 

消費財関連事業のECサイトが、なぜB2Bビジネスを志向したのか? また、法人からの受注を増やすために、どのようなサイト体験を築こうとしているのか? 家庭機器事業部 eビジネス2部の西村 拓也様と松村 駿介様(以下、敬称略)に、お話を伺いました。

 

 

【INDEX】
流通販売で気づいた法人需要の高さ
ECシステム構築はバックエンドにフォーカス
手のかからないレコメンドで、売上の1割を築く
より双方向なビジネスの場を目指す


流通販売で気づいた法人需要の高さ

▼山善のWebショップの狙いについて教えてください。

西村:山善は、工場などの生産現場に工作機械・産業機器・機械工具等を提供し、世界のものづくりを支える「生産財関連事業」と、住宅設備機器や生活用品など豊かなくらしを提供する「消費財関連事業」の大きく2つの事業で成り立っています。自社ECサイトである山善ビズコムは、消費財関連部門の中でもEC流通を担う部隊の新規事業として立ち上げられました。

 

ご存じの通り、当社のサーキュレーターやホットプレートなどの商品はホームセンターなどの流通店や大手ECモールを中心に、コンシューマー向けに販売されています。その販売情報を分析すると、面白いことが分かりました。当社商品は販売時の領収書の発行率が、かなり高いのです。つまり、法人のお客様による購入が多いということです。

 

商社を出発点とする私たちの事業は、個人のお客様からのニーズをくみ上げ、直ちに商品開発に反映することで市場の信頼を築いてきました。しかし、消費財関連事業では、法人のお客様のニーズ把握や商品開発は、後手になっていました。そこで、直接お客様と接することのできる自社ドメインのECサイトを立ち上げ、法人をターゲットとした販売を行うことで、市場の開拓やニーズの発掘ができるのではと考えたのです。

 

山善ビズコムの品ぞろえは、量販店で販売しているものと同じですから、個人のお客様も楽しんで使ってもらえるサイトになっていますが、法人会員機能を設け、山善ビズコムならではのサービスを提供しています。

 

山善のショールームで語るeビジネス担当のおふたり

山善ビズコムを担当する、eビジネス2部の松村様と西村様

 

▼山善ビズコムでは、法人向けにどのようなサービスを設けているのでしょう?

松村:例えば、オフィスで利用する家電などの消費財は、一度にまとまった数の発注が走ります。まとめ買い・組み合わせ買いの機能を拡充し、ボリュームディスカウントが効くしくみを整えました。また、見積書・領収書発行機能を拡充し、掛け売りにも対応したのも特長です。商品によっては数千個と言う、コンテナ単位での大規模購入も可能です。予算に応じた計画購入がしやすくなっていると思います。

 

法人のお客様では、オフィスの開設やリノベーションに伴う備品やインテリアの一括購入、また消耗品を定期的に購入するといったパターンがあるかと思います。ボリュームディスカウントなどのサービスをフックとして、長期にわたってご利用いただければと考えています。

 

 

ECシステム構築はバックエンドにフォーカス

▼確かに、一般的なECモール出店では、法人に特化したサービスは難しそうです。自社サイトでの法人向け機能は、独自開発でしょうか?

西村:いいえ、国内大手ベンダーのECプラットフォームにあるBtoB向け機能をベースとして利用しています。掛け売りなどの機能も、プラットフォーム側できっちりと作り込まれていたので、助かりました。おかげで、受注システム側の改修にフォーカスすることができました。

 

松村:山善ビズコムのバックエンドである受注・発送システムは、ECモール販売で使っているシステムと一元化しています。今回の事業立ち上げのため、このバックエンドシステムの方にボリュームディスカウント機能などの機能追加を行う必要がありました。また、結合テストにも非常に時間をかけました。新サイトで発注した商品が出荷されないとか、発注キャンセルできないといった事故は起こせません。最悪、既存のECモール販売にも影響が出かねませんから、非常に気を遣いました。

 

 

手のかからないレコメンドで、売上の1割を築く

▼レコメンドエンジンの導入も、新サイト立ち上げ当初から決まっていたとのことですが、導入のポイントはなんだったのでしょう?

西村:メンテナンスフリーで、自動的に最適なものを出し続けることが、レコメンドエンジンに求める最大のポイントです。

 

レコメンド機能は、ECサイトに欠かせないものですが、非常に手のかかるツールという認識でした。私は以前、ECモール内の山善ページのマーケティングを担当していたのですが、当時の運用では各商品ページに掲載するレコメンド商品を手動で決めていたため、非常に工数がかかっていました。どんな商品をレコメンドすべきかを考え、リンクを設定していくのも大変でしたが、商品の改廃によるリンク切れのメンテにも、神経を使わなければなりませんでした。

 

レコメンド機能は、お客様をもてなし、より消費してもらうための、言ってみれば「守り」の機能だと思っています。守りの部分はできる限り自動化したいというのが、本心です。空いた時間を新商品のプロモーションや、法人向けコンテンツの拡充など、攻めの時間に使えるからです。

 

松村:今回、レコメンドエンジンの選定にあたっては、2社のレコメンドエンジンを比較し、シルバーエッグ・テクノロジーの「アイジェント・レコメンダー」を選びました。決め手になったのはレコメンドエンジンを実装する先であるECプラットフォーマーから届く生の声でした。こちらの求めるメンテナンスフリーの運用が可能かどうかに加え、他社さんでの実績を紹介してもらい、信頼できる商品であると判断しました。

 

 

▼レコメンドエンジンを導入して、どのような成果が出ていますか?

西村:サイト内の各ページに掲載したレコメンド画像をユーザーがクリックし、60分以内に購入されたものだけを「レコメンドエンジンによる成果」としてカウントしていますが、この基準で見ると、現在、山善ビズコムの総売上の約1割が、レコメンドによってつくられています。導入前は、レコメンドで全体売上が5%ぐらい向上すれば良いかなと思っていたので、想定以上のアップリフト成果だと思います。

 

何よりうれしいのが、レコメンド商品に何を出し、どう運用するのかを、全く意識しなくても、成果が出せているという点です。どんな事業のスタートアップも同じかと思いますが、山善ビズコムも最低限の人員でサービスを立ち上げ、運用しています。人手が無い中で、何もしなくてもレコメンドでこれだけの売り上げを積み上げられているのは心強いです。

 

 

新たな魅力を生み出すために、より双方向のコミュニケーションを

▼今後の山善ビズコムを、どう伸ばしてゆこうとお考えですか?

西村:立ち上げの1年目は、まず安定したサービス提供を実現するのが目標でしたから、サイトの構造も不可欠なツールを揃えたシンプルなものになっています。結果として、売上も当初の目標どおり、堅調に推移しています。

 

松村:2年目以降はレコメンド以外の外部ツールも検討し、より積極的に市場を開拓し、また顧客満足度を伸ばすための施策に取り組んでいきます。重要だと考えているのが、法人を中心としたお客様との双方向コミュニケーションです。大量購入ゆえに複雑になりがちな見積作成をチャットサービスでサポートするなど、いくつかアイディアを練っているところです。

 

同時に、現在は個人顧客向けとなっている商品写真に、法人向けのものを加えるといった、地味でも必要な改善は着実に続けていかなければなりません。メールマガジンの質の向上や、SNSを活用したパブリシティなど、顧客データの活用を含め長期的に戦略を考えています。

 

西村:失敗を恐れずチャレンジし、市場を切拓いてゆくのが山善のカルチャーです。様々なマーケティング施策を試し、当初の目標をどれだけ上回るサイトに成長させていくか、頑張ってみたいと思います。

山善ビズコムの売れ筋商品は「防災キット」

山善ビズコムの売れ筋商品は「防災グッズ」

 

 

取材 / 編集: 園田 真悟(シルバーエッグ・テクノロジー)

 

 

 

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