膨大な商品から現場のニーズにリアルタイムに応えるOne to Oneの接客とは – 株式会社ナースステージ「NURSERY」
「医療現場で働く人を笑顔に、日本を元気にする」ことを企業理念とし、医療従事者向け通販で圧倒的なシェアを持つ株式会社ナースステージ。同社が運営するECサイト「NURSERY(ナースリー)」は、紙のカタログからWebサイトへの移行に伴う「豊富な商品が埋もれてしまい、ユーザーの欲しい商品が見つかりにくい」という問題に対し、一人ひとりに最適な商品を届ける「Web上のOne to One接客」の実現に取り組んでいます。
今回は、同社ナースリー事業部EC推進室主任の髙木様と同推進室参事の門井様に、膨大な商品から個々のニーズをリアルタイムに捉える「アイジェント・レコメンダー」の選定理由や、その導入効果、未来の接客像について詳しくお話を伺いました。
INDEX
・成熟市場を勝ち抜くナースリーの強み:豊富なバリエーションがもたらす「買い物に失敗しない」安心感
・カタログからWebへの転換期に直面した、豊富すぎるラインナップに「商品が埋もれる」課題
・ロングセラー商品をランキングで見せつつ、一人ひとりの現場のニーズにもリアルタイムに応え購入導線・CVRを改善
・Web上で実現する「自分だけの処方箋」のような接客の未来
成熟市場を勝ち抜くナースリーの強み:豊富なバリエーションがもたらす「買い物に失敗しない」安心感
―― まずは、皆様の役割と、EC推進室が管轄する業務・サイトについてお聞かせください。
髙木様:株式会社ナースステージ ナースリー事業部 EC推進室の主任をしています。私たちEC推進室は、自社ECサイト「NURSERY」の運営をはじめ、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのモール運営を担っています。また、別のチームでは商品の自社開発も手掛けています。
門井様:私は、参事としてチーム全体のサポートを行っています。過去に経験したシステム開発やレコメンド導入の知見を引き継ぎつつ、現在はモール運営を中心に担当しています。
―― 業界内の圧倒的なシェアを誇る御社ならではの具体的な強みはどこにあるのでしょうか。また、近年の市場トレンドも合わせて教えてください。
髙木様:近年の市場トレンドを見ると、看護師の総数はここ数年大きく変動しておらず、市場は成熟期にあります。そのなかで当社の一番の強みはすぐに必要な定番商品から、他社サイトでは見つけられない豊富なカラーバリエーションやサイズ展開、さらに現場のニーズにマッチした自社開発商品まで、多忙な看護師の方々が1箇所で必要なものをすべて揃えられることです。
取り扱っている商品のなかには10年単位で売れ続けているロングセラーもあり、実物を手に取れないECでもいつも使っている定番商品を安心して購入することができます。その一方で、一般アパレル企業の参入による競争の激化に加え、近年はSNSなどの影響から、デザイン性やブランドを重視する消費行動への変化が見られます。
そうした中で、一般アパレル企業との最大の差別化となっているのが、医療従事者の働き方に特化した商品開発と、買い物で失敗しない仕組みづくりです。商品開発の一例としては、役割別で色を変える大規模な病院や、視認性を重視する介護施設などのニーズに応えることのできる豊富なカラー展開があります。
門井様:商品開発にはシューフィッターや靴下ソムリエといった専門資格を持つスタッフが携わっています。また、キャラクターアイテムも人気で、最近では治療や処置時に抱くお子さんの不安や苦痛をできるだけ軽減するための気そらしに使えるような、誰もが知っているアニメキャラとのコラボ商品も展開しています。
髙木様:さらに自社サイト内のコミュニティで収集したお客様の意見やレビューを商品開発に役立てています。
買い物に失敗しないための仕組みとしては、例えば法人向けのまとめ買いサービスや、豊富なサイズバリエーションを用意した商品サンプルの貸出(※1)などがあります。
※1 法人様限定のサービスとなります

カタログからWebへの転換期に直面した、豊富すぎるラインナップに「商品が埋もれる」課題
―― 豊富なカテゴリや多彩なバリエーションなど、膨大なラインナップがあるからこそ、紙のカタログからWebサイトへと販売経路を拡大をする際に「商品が埋もれてしまう」といった問題につながってしまったのでしょうか。当時の具体的な状況を教えてください。
門井様:はい、その通りです。ナースリーはもともとカタログ通販として非常に豊富な商品数を取り揃えていたのですが、その膨大なラインナップをそのままWebで展開すると商品が埋もれてしまい、「どこに何があるか分からない」「見たことがない機能の商品は見つけにくい」という問題が生じてしまいました。
商品やカテゴリが多いことにより、定番商品であってもどのカテゴリから探したらよいかわからない、わざわざ検索しなければならないといったUX課題がありました。
また、せっかくコラボ商品やお客様のニーズにマッチした優れた機能の商品があっても、カタログでは閲覧しながら発見できていたものが、Webではそもそもその商品の存在が知られていなければ、見つかる機会が少なく、特集を作成するなどの作業が必要でした。
こうした課題を解決するため、EC上のお客様に対し、実店舗の店員さんのように適切に商品をおすすめし、一人ひとりのニーズをサポートできるツールが必要だと考えたのが「アイジェント・レコメンダー」導入のきっかけでした。
ロングセラー商品をランキングで見せつつ、一人ひとりの現場のニーズにもリアルタイムに応え購入導線・CVRを改善
―― 他社ツールも検討された中で、最終的にアイジェント・レコメンダーを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
門井様:一番の理由はレコメンド精度の高さです。定番のロングセラー商品の見つけやすさは、サイトの利便性や安定した売上に寄与しますが、それらを画一的に出すだけでは充分に現場の医療従事者のニーズに応えているとは言えません。お客様一人ひとりの異なるニーズに対し、ユーザーの行動をリアルタイムに読んでぴったりな商品を提案してくれる点を評価しました。この精度があればこそ、投資に対する充分なリターンが見込めると判断しました。
―― アイジェント・レコメンダーの導入後、それらの課題はどのように解決されましたか?
門井様:導入以前は、欲しい商品がなかなか見つからないために、お客様がサイト内で迷って適切な購入導線を示すことができていないような状態でした。これがサイト全体のコンバージョン率が低下してしまう大きな原因になっていたのです。
しかし、導入後はレコメンドによって求めている商品へスムーズに案内できるようになりました。適度なサイト回遊により、お客様がスムーズに目的の商品を購入できるようになったと感じています。さまざまなサイト改善の相乗効果もありますが、商品が探しやすくなったことで迷いの回遊が減少し、コンバージョン率の向上にもしっかりと貢献していると思います。
また、商品数が非常に多いため、商品一覧ページの上部などに商品カテゴリごとに細分化された購入金額ベースのランキングを配置し、商品の見せ方を変えてアプローチする工夫も合わせて行っています。

Web上で実現する「自分だけの処方箋」のような接客の未来
―― 最後に、今後のサイト運営やAIを活用して実現したいことについて教えてください。
髙木様:看護師さんの生活そのものを豊かに、快適にするプラットフォームを目指しています。当社は国内シェア日本一の豊富な看護師さんのデータベースを持っているので、それを活かした情報発信なども行っていきたいです。
AI領域に関しては、定番商品だけでなく日々進化する新商品もうまく提案していきたいと考えています。蓄積されたデータを活用し、まるで病院で「自分だけの処方箋」をもらうような、クオリティの高いOne to Oneの接客をWeb上で実現することが目標です。実店舗がないことが全く弱みにならないようなサイト作りを、これからも進めていきたいです。
(取材 / 編集:シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 マーケティング部)
